ニューソブリン銘柄で資産運用を賢くする

元本保証の金融商品は逆ザヤリスクも

マイナス金利の導入で、元本が保証される預貯金や安全性が高い国債の金利は限りなくゼロに近づき、大幅に魅力が薄れてしまいました。

加えて、債券などで運用する投資信託のひとつであるMMF(マネー・マネージメントーファンド)は、運用難で全商品が繰り上げ償還されたうえ、貯蓄性の高い保険商品の中にも販売が停止される商品が出てきています。

 個人の預金にはマイナス金利は適用されてはいませんが、ATMの1数料をI度払っただけでマイナスとなる場合も。機関投資家にとってはさらに切実で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りがマイナスになるなど、保有しているだけで損をする「逆ザヤ」リスクが高まっています。

 これまで安全性の高い金融商品で運用していたお金が、マイナス金利の影響で行き場を失ってしまったのです、そこで注目を集めているのが、⊇ユーソブリン銘柄」です。

 ニューソブリン銘柄とは、時価総額が大きく、業績や配当利回りが安定した株をいいます。

これはアメリカで生まれた概念で、「ソブリン」は国債を意味します。アメリカは現在利上げ局面にありますが、2015年までは実質的なゼロ金利政策を取っており、利回りが低下した国債に代わる投資対象として関心が高まっていたのです。 

株式ではあっても業績が安定した大型株は値動きの変動も小さく、国債の代わりの機能が期侍できるというわけです。

ニューソブリン銘柄の中には配当利回りが魅力的な銘柄もあり、こうした銘柄に投資すれば国債よりもずっと高いインカムゲイン(配当や金利など保有しているだけで得られる利益)も期待できます。

業績安定した大型株4%超の高利回り銘柄も

ニューソブリン銘柄の条件は、時価総額が大きく、業績が安定した高格付けの銘柄とされていますが、日本の個別株には格付けがありません。

このため、日本を代表するリーディングカンパニーで構成される「TOPIXコア30」の中から選ぶのがおすすめです。もう少し選択の幅を広げたいなら、「TOPIX100」という指数も有力です。

この指数の採用銘柄の中から、時価総額が3000億円以上で、業績が安定した銘柄を日本のニューソプリン銘柄と考えていいでしょう。 

具体的には、トヨタ自動車や日産自動車などのグローバル企業や、景気や為替相場に左右されにくい武田薬品工業やNTT東日本、JR東日本、KDDIなどいわゆるディフェンシブといわれる銘柄とも重なります。

配当利回りはトヨタと武田は3・7%程度、日産にいたっては4%を超えており、高い配当収入が期待できる銘柄もあります。 

一度スタートした金融政策は最低でも3~4年程度は継続するもので、16年に始まったばかりのマイナス金利政策もしばらく続くと考えられます。

16年6月現在のマイナス金利の対象は、銀行が日銀の当座預金に預けるお金のうち、新たに預ける分だけなので、対象となる資金はあまり多くはありません。

しかし今後対象が広がれば、ニューソブリン銘柄にはいっそう注目が集まり、資金流入が加速することも考えられます、もともと値動きの安定した銘柄群なので、中長期的な投資対象としても有望といえるでしょう。 

ただし、値動きが安定しているといってもあくまで株式なので、市場環境や業績の変化で大きな損失を出す可能性はあります。預貯金と同じ役割を果たすことはできないことは肝に銘じておきましょう、